セックスレス恐らく1099日目
1099日目になった。
銀座のど真ん中は、相変わらず煌びやかだ。
観光客が多いが、
街を歩く女性はキレイな人が多い。
地元の人はほとんどいなく、
ほぼ田舎や他の地域から来てる人が密集しているのが原宿のように、銀座もそうなのかもしれない。
着飾る事で銀座は馴染めるのか、
はたまた着飾りたいから銀座に行くのか。
どっちでもいい愚問を思いながら、
たった600m先の店に行くだけにタクシーを使う社長の為にタクシーを拾い、社長をタクシーに詰め込んで、僕は歩いて店にいく。
VIP席に通され、代表取締役、常務取締役と言った肩書きの紙切れが挨拶と共に増え、面白くもない昔話に相槌を打ち、身内ノリの話題で無理やり爆笑をする。
このままでは僕の顔のほうれい線は、数年後には跡が付くくらいクッキリしてしまうのではないか。
夜の銀座は確かに煌びやかだ。
でも、僕が好きになることはないだろう。
居心地の良い住み慣れた街は、
さっきまでの喧騒が嘘のように静かだった。
ラップの張ってある晩御飯に、
申し訳なさを強く感じながら僕は今日も妻とセックスする事なく、眠りにつく。
セックスレス1099日目。
それでも、僕は奥さんの事が大切だ。